VAMP NECROPHILIA ANOTHER SEXUALITY
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Twilight Zone memorandum

(トワイライトゾーンおぼえがき)


by ウチノリカ

 アメリカでの放映は1959年〜1964年と、かなり前のTVドラマなのに、今見てもアイデアが詰まっている。古き良きSF黄金時代の小説ネタからパクってるのもありそうだが・・・ともあれ、その後の「ウルトラQ」「怪奇大作戦」、また「世にも奇妙な物語」等々の日本のTVドラマにも、多大なる影響を与えたのは確実だ。日本では「トワイライトゾーン」ではなく「ミステリーゾーン」というタイトルで放映されたが、放映順序もバラバラ、放映時期もバラバラで、また各種資料も邦題と原題の対応が違ってたり再放送時に邦題が変わったりしてることもあるらしい。というわけで順不同ではあるが、印象に残ったエピソードについて記してみようと思う。

チャリラリ チャリラリ チャリラリ チャリラリ〜〜
                

"You're travelling through another dimension.
A dimension, not only of sight and sound, but of mind.
A journey into a wondrous land
whose bouundaries are that of imagination.
Next stop, the
Twilight Zone!"

Rod Serling


 
 【亡き母の招き】 YOUNG MAN'S FANCY

 結婚することが決まっていた男が、子どもの頃から住んでいた家に戻ったとたん、婚約者への態度を急変させる(ここのくだりはレイ・ブラッドベリの「みずうみ」に似ている)。亡くなった母との思い出を懐かしがるあまり、その家を売るのをやめてしまうのだが・・・過去が実体化していく不思議、また母と息子の異常な結びつきを描いた話。
 
 【殺すなら私を】 IN PRAISE OF PIP

 ヤミ馬券売りのチンピラ男。彼の息子のピップは、ベトナムで重傷を負っていた。男は息子のためにまともな暮らしに戻ろうとしたが、刺されて怪我をする。かつて息子とよく遊んだ遊園地に行くが、そこには幼い頃のピップがいて、つかの間の幸せを満喫する‥
 声優さんがいい声出してる。誰だろう?
 
 【憎悪の家】 UNCLE SIMON

 鬼のような叔父に、25年間もこきつかわれていた女性。ある日叔父が階段から落ちて死んでしまい、彼女は念願の遺産を相続することになった。ただし相続の条件として、叔父がしていたロボットの実験を今後も続けなければならなかった。ロボットは時がたつうちに、口調から態度からまるで叔父のようになっていくのだった。
 
 【禁断の遊星】 PROBE 7 - OVER AND OUT

 ロケットが故障して、どこかの惑星に不時着する。救助してもらおうにも、地球では核戦争が勃発してしまった。たったひとり惑星を探索していくうちに何者かがいる気配が。
 宇宙人が人間の女性そっくりという設定、ちと苦しい。
 
 【幻の騎兵隊】 THE 7TH IS MADE UP OF PHANTOMS

 80年ほど前、インディアンと第7騎兵隊が戦った場所で、陸軍演習を行なっていた。しかし、どこからかインディアンの声を聞こえたり、のろしや集落を見つけたりした男たちは、ついに第7騎兵隊と合流することになる。
 要するにタイムスリップする話。
 
 【命を刻む時計】 NINETY YEARS WITHOUT SLUMBERING

 老人は大きな古時計を、異常なまでに大切にしていた。彼はその時計が止まると、自分も死ぬと信じていた。
 強迫神経症めいた行動に出る、おじいちゃんの雰囲気がなかなかよい。ちょっとO・ヘンリーなノリもあるかも。
 
 【指輪の中の顔】 RING-A-DING GIRL

 ハリウッド女優のバーニーが、急に故郷の町に帰ってきた。町の恒例行事のピクニックを中止するよう、彼女は様々な人にコンタクトをとるが、それは故郷の友人たちから贈られた指輪が、あるメッセージを出しているためだった。
 悲しい結末がみえてしまったけど、展開が面白い。バーニーの姉にルシール・ボールの声優さんの声…なつかしいな。
 
 【ある改造】 NUMBER 12 LOOKS JUST LIKE YOU

 人間の外見をよりよい姿に改造してしまうことができる未来。人々は美しいけど、すべからく同じ顔になっていた。そんな中、主人公の少女が「ブスでもいいの、私は私でいたい」と改造されることを拒絶する。母親や友人から理解されず、無理矢理改造センターに連れて行かれた彼女は…
 コンピュータが発達し、人間性が失われてという設定は、竹宮恵子の「地球へ‥」に限らず、ひと頃のSFにありがちな設定ではある。でもこれ下世話なノリで、なかなか楽しいドラマだった。

 【連れてきたのは誰?】 STOPOVER IN A QUIET TOWN

 酔っ払った夫婦が目覚めると、まったく知らない場所にいた。街には誰も人がおらず、偽物の家具、からっぽの冷蔵庫が置いてあった。芝生も紙でできていて、木の枝には作り物のリス、その木すらインチキ。汽車は同じ所をぐるぐるまわっていた。どこからか聞こえる子どもたちの笑い声。
 この話は、なんか昔に見たような記憶が‥オチも知っていた。映画「ビートル・ジュース」は、この話を参考にしてそう。

 【エジプトの女王】 QUEEN OF THE NILE


 謎の多い美人女優を取材にきた記者は、彼女の年老いた母親から「私は彼女の母親ではなく娘なのだ」と聞かされる。その女優についてあれこれ調べるうちに、40年前の映画に変わらぬ美貌で主演していたことを突きとめた。
 楳図作品に似た内容のものがありそう。「あなたの精気吸わせてください」といった、映画のキャッチフレーズを思い出してしまった。

 【生きている仮面】 THE MASKS

 カーニバルのある日、心臓が悪く死期の迫った爺さんを訪れた娘夫婦とその子どもたち。彼らの目的はもちろん爺さんの遺産。老人は彼らに、午前零時までここにある仮面をつけるよう命じる。遺産のためならと、しょうがなく仮面をつける4人だが…
 シンデレラの義母と義姉の姿をダブらせてしまうほど、4人の態度は露骨に醜い。さらにそんな彼らがかぶるお面がなかなかにグロい。

 【暗黒の死刑台】 I AM THE NIGHT-COLOR ME BLACK

 殺人犯がしばり首になる日の朝、どうしたことかいつまでたっても闇夜のまま。9時過ぎになったというのに明るくなる気配はなく、死刑囚は野次のなか人々を呪いながら死んでいく。あたりはさらに一層の闇となり、世界は暗黒に包まれる…といった、なんともくら〜い抽象的な話。
 ここで訴えたかったことは死刑廃止運動とも思えないし、憎しみではなにも解決しないよってことなのかな?

 【死ぬほど愛して】 COME WANDER WITH ME

 人気のロカビリー歌手が、とある村にやってきた。新しいものを探していた彼は、村娘の歌う曲が気に入りもっと歌ってくれるよう頼む一緒に村を出て行こうするが…
 なぜだか脱出できない焦りと恐怖。黒い衣装の女が森の中ですっと見え隠れするのが意味深で、妙に怖い。

 【水に消えた影】 THE BEWITCHIN' POOL

 豪邸に住む金持ち家族。けれど両親は喧嘩が絶えず、子どもたちは幸せではなかった。そんな姉弟がふとしたことから、自宅のプールからつながってる異世界に行き、不思議な老婆と出会う。その世界では現世で不幸な子どもたちが安心して楽しく暮らせる場所だった。それでも両親が気になる二人はいったん家に戻るのだが‥
 初めのシーンが後半につながっている構成がいいな。あっちの世界で楽しく暮らせるだろうに…と思われる可哀想な子どもたちって、現代のほうがもっと増えてるんじゃないのかな。見方を変えれば、自殺願望をあおるかのようでもあり、危険な香りのするお話ね。

 【死神の訪れ】 NOTHING IN THE DARK

 お婆さんが死神に脅え、人を拒絶しながら暮らしていた。そんな彼女の家に負傷した警官がやってくるが…。
 警官を演じるのは、若き日のロバート・レッドフォード。
 
 【水爆落ちる】 ONE MORE PALLBEARER

 成功して大金持ちになった男が、自分の家にシェルターを備え付け、仕掛けをつくる。そして、かつて自分に屈辱的な思いをさせた3人の人間を呼び寄せ世界は終わるのだとだまし、許しを請うよう強要する。
 「クリスマス・キャロル」のスクルージのようにネジ曲がった男が、「トワイライトゾーン」にはよく出てくるね。
 
 【死人の靴】 DEAD MAN'S SHOES

 路地裏に男の死体が投げ込まれた。それを見ていた路上生活者が、死体から靴をはぎとって履いてみた。するとそれまでの彼とは別人のようになり、知らない家にあがり込み、かつての主人のように横暴に振る舞い、そこにいた女性は混乱してしまう。そして、ギャングの抗争へ巻き込まれていく。
 ひさうちみちおのマンガで、奥平イラが髪の毛を立てると、ふにゃっとした性格が一転して、野蛮で凶暴な性格になり女を押し倒しまくるといった、愉快なエロマンガがあったけど、それとおんなじ。靴を履いたり脱いだりするたびに、性格が変貌して顔つきまで変わってしまう様子がすっごくおかしい。
 

 【狩りの最中突然に】
THE HUNT

 相棒の犬を連れて狩りをする老人。アライグマ狩り中、水に潜った犬を追いかけて、老人も川に飛び込んだ。翌朝老人は家に戻るが、なぜか奥さんほか、まるで自分がいないかのように振る舞うのが不思議だった。
 家族のように親しくつきあってきた犬のカンは、なによりも正しい…という教訓のようにも受け取れる、とぼけた味の作品。

 【西部劇作法】 SHOWDOWN WITH RANCE McGREW

 
ランスは西部劇ドラマの人気俳優だが、傲慢でわがままし放題、さらに敵役をやっつけるシーンではNGを連発する。そんな彼がとつぜん、本物の西部の世界に入り込んでしまう。そしてバリバリほんまもんの西部男が出てきて、彼に勝負を挑むんだけど、ランスは当然ひたすら逃げまわる。
 どたばたでバカバカしいけど笑えます。

 【真夜中の遊戯】 KICK THE CAN

 辛気くさい毎日を送る老人ホームの生活。そこにひとり元気な老人がいて、深夜こっそりカンケリをして遊ぼうよと他のみんなに提案する。ホームの仲間もだんだんやる気になってきて‥
 映画版「トワイライトゾーン」第2話の原作だけど、こっちのほうがいい。

 【ピアノの怪】 A PIANO IN THE HOUSE

 男が妻の誕生日プレゼントに中古の自動ピアノを買った。なんとびっくり、曲ごとに特定の人間の隠れた心が出てしまうのだった。彼は誕生パーティーにやってきた人たち相手に、ピアノを使って心を弄ぼうとするが…
 表情でこうまで変わるかというほど、人間の外観が変わるのが面白い。役者さんたちの演技バトル必見。

 【蘇ったジェフ】 THE LAST RITES OF JEFF MYRTLEBANK

 葬式が行なわれている最中に、村の青年ジェフが息を吹き返す。前のジェフとどこかしら違うと、家族・婚約者そして村の人々も、彼を悪魔じゃないかと疑う。
 村八分は怖い…フランケンシュタインのときと同じ。でも結末は?

 【消えた少女】 LITTLE GIRL LOST

 夜に突然女の子が消えてしまう。ペットの犬も消えてしまう。ときどき哀しげな泣き声が聞こえてくるのだが、どこにもその姿は見あたらない。娘の両親は友人を呼んで調べてもらうが、どうやら子供部屋に4次元への入り口が発生したという奇怪な理由のせい。どうやって連れ戻したらいいのか‥。
 4次元の世界を表現するのに、SFXも発達してない当時としては、かなり頑張っている。単純な話だけどけっこう緊張感あり。

 【自分を探す男】 PERSON OR PERSONS UNKNOWN

 男が朝起きると、妻がまるで他人のように振る舞うので当惑する。その後、会社に行っても誰も自分のことを知らないと言う。彼は自分の存在を証明するために、妻と一緒に写っている写真を探し出すが‥
まるで、フレデリック・ブラウンの世界。昔こういうSF好きだったなあ。少しずつズレていくパラレル・ワールドだから、えんえん続くんだよね。
 
 

 
  【トワイライト・ゾーン −超次元の体験−】 TWILIGHT ZONE THE MOVIE

  「トワイライトゾーン」の劇場版。1983年製作。オムニバス形式で順に・・・
 
  『プロローグ・・・本当に怖いもの』 REALLY SCARY

  これって本当に怖いかな??ダン・エイクロイド出演。
 
  『第1話・・・偏見の恐怖』 TIME OUT

  ジョン・ランディス監督作品。
 人種差別意識の強い男が、逆に差別される側なって追いつめられる仮想の恐怖。悪夢の定番みたいな話。
 主演したビック・モロー、撮影中に事故死してしまったんだってね。ヒエ
 
  『第2話・・・真夜中の遊戯』 KICK THE CAN

  スティーブン・スピルバーグ監督作品。
 「ブルーム老人」はオリジナル版には登場しない。
 “老人になると皆、子どもにかえるのです”的お話はけっこう弱いんだけど、あまりにも情緒的な演出なんで、うんざりしてしまった。
 
  『第3話・・・こどもの世界』 IT'S A GOOD LIFE

  「グレムリン」の監督ジョー・ダンテ作品。
 少年の願望が、コミカルでグロテスクな形で実現していく話。諸星大二郎の「子供の王国」を思い出す。
 
  『第4話・・・2万フィートの戦慄』 NIGHTMARE AT 20,000 FEET

  「マッド・マックス」の監督ジョージ・ミラーの作品。
 この第4話が昔観たときも一番インパクトあった。飛行機内で、やたら神経質になっている男がいた(ひと事ではない(笑))。彼が窓から外を見るとそこにいたのは!?ってな話。ジョン・リスゴー主演。
 
  『エピローグ』
  「2万フィート」の続きであり、「プロローグ」と重なる演出。
 「怖い思いをしたんだな・・・もっと怖い思いをしたいかい?」

 
チャリラリ チャリラリ チャリラリ チャリラリ〜〜

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