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ロマン・ポランスキーのポートレイト ロマン・ポランスキー
     
ロマン・ポランスキー
1933年フランス生まれ
WORKS REVIEW  NOTE  PROFILE  DIRECTOR
★は個人的評価です

WORKS
1954 世代 出演
監督:アンジェイ・ワイダ
出演:タデウシュ・ウォムニッキ、ウルスラ・モジンスカ、ズビグニエフ・チブルスキー
「地下水道」「灰とダイヤモンド」と続くアンジェイ・ワイダ監督「抵抗」三部作の最初の作品。
1958 タンスと二人の男 監督
演劇映画学校在学中に撮った15分の短編。海から二人の男が大きいタンスを抱えて陸に上がって歩き回り、最後に海に帰っていくという不条理ともナンセンスとも映像詩ともいえる作品。
1962 水の中のナイフ 監督・脚本 ★★★
出演:レオン・ニェムチック、ヨランダ・ウメッカ、ジグムント・マラノウッツ
裕福な壮年の夫と美しい妻のヨット遊びに、ヒッチハイクでひろった貧しいが若く魅力的な男が同行する。ことごとく対立する夫と青年の間で、妻はやがて…。ヨット上での二日間に起こる、三人の心の機微をクールかつ斬新な視点でえぐる。映像と音楽は時代を感じさせない。
1964 反撥 監督・脚本 ★★★★★
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、イヴォンヌ・フルノー、ジョン・フレイザー、イアン・ヘンドリー
ストーリーとレビューは⇒こちら
1964 世界詐欺物語 監督・脚本
監督:堀川弘通、ウーゴ・グレゴレッテ、クロード・シャブロル
出演:浜美枝、三津田健、ガブリエラ・ジョルジェーリ、グイド・ジョゼッポーネ、ジャン=ピエール・カッセル、フランシス・ブランシ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ニコール・カレン、ヤン・トイリングス、ステファーヌ・オードラン、エルザ・マルティネリ
1965 袋小路 監督・脚本 ★★★★
出演:ドナルド・プレザンス、フランソワーズ・ドルレアック、ライオネル・スタンダー、ジャクリーン・ビセット、ジャック・マッゴーラン
孤島の古城に住む初老の夫と美しい妻。閉ざされた世界で平穏に暮らしているところへ、逃亡中の悪漢が瀕死の相棒を連れてなだれこんできた。夫は男の言うがままで、妻はそんな夫に愛想をつかし、島に遊びにやってきた一家の青年と密かに通じている。妻は夫に悪漢を殺させた上、半狂乱の夫をおいて島を出て行ってしまう…。男を翻弄する妻を演じる今は亡きドルレアック(カトリーヌ・ドヌーブの姉)の美しさ。「水の中のナイフ」「反撥」に続いて、人間の怖さとモノクロの映像美がみどころ。
1967 吸血鬼 監督・脚本・出演 ★★★
出演:ジャック・マッゴーラン、シャロン・テート、アルフィー・バス、ファーディ・メイン、イアン・カリエ、テリー・ダウンズ、イーアン・クワリエ、フィオナ・ルイス
「吸血鬼」パロディ映画の傑作。
監督自身も教授の助手役で出演。味のある演技をみせてくれる。

このパロディとギャグセンスは吸血鬼モノを熟知したファンにこそ観ていただきたい。
ポランスキーは娘役のシャロン・テートと、この映画をきっかけに結婚したが、1969年シャロンはマンソンファミリーに殺されてしまう。遺作となったこの作品のシャロンはとても美しい。
1968 ローズマリーの赤ちゃん 監督・脚本 ★★★★★
原作:アイラ・レヴィン
出演:ミア・ファロー、ジョン・カサヴェテス、モーリス・エヴァンス、ルース・ゴードン、ラルフ・ベラミー、シドニー・ブラックマー、エリシャ・クック・Jr、パッツィ・ケリー、チャールズ・グローディン
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1969 マジック・クリスチャン 出演 ★★
監督:ジョセフ・マクグラス
原作:テリー・サザーン
出演:ピーター・セラーズ、リンゴ・スター、ラクエル・ウェルチ、リチャード・アッテンボロー、ロマン・ポランスキー、ユル・ブリンナー、クリストファー・リー
1971 マクベス 監督・脚本 ★★★★★
原作:ウィリアム・シェークスピア
音楽:ザ・サード・イヤー・バンド
出演:ジョン・フィンチ、フランチェスカ・アニス、マーティン・ショウ、ニコラス・セルビー、ジョン・ストライド、スティーヴン・チェイス、ジェレミー・ブレット
1972 ポランスキーの欲望の館 (未) 監督・脚本・出演
出演:シドニー・ローム、マルチェロ・マストロヤンニ、ヒュー・グリフィス、ロモロ・ヴァリ、グイド・アルベルティ
1974 チャイナタウン 監督・出演 ★★★★
出演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、バート・ヤング、ペリー・ロペス、ジョン・ヒラーマン、ダレル・ツワリング、ダイアン・ラッド、ブルース・グローヴァー
1974 処女の生き血 出演 ★★
監修:アンディ・ウォーホル
監督:ポール・モリセイ
出演:ウド・キア、ジョー・ダレッサンドロ、、ヴィットリオ・デ・シーカ、アルノ・ジュエギング、マキシム・マッケンドリー、ステファニア・カッシーニ、ドミニク・ダレル、シルヴィア・ディオニシオ
1976 テナント/恐怖を借りた男(未) 監督・脚本・主演 ★★★★★
原作:ローラン・トポル
出演:イザベル・アジャーニ、メルヴィン・ダグラス、シェリー・ウィンタース、ジョー・ヴァン・フリート、ベルナール・フレッソン、リラ・ケドロヴァ、クロード・ドーファンエヴァ・イオネスコ、ジョジアーヌ・バラスコ
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1979 テス 監督・脚本 ★★★★
原作:トーマス・ハーディ
出演:ナスターシャ・キンスキー、ピーター・ファース、リー・ローソン、デヴィッド・マーカム、アリエル・ドンバール
1986 ポランスキーのパイレーツ(未) 監督・脚本
出演:ウォルター・マッソー、クリス・カンピオン、ダミアン・トーマス、リチャード・ピアソン、シャーロット・ルイス、ロイ・キニア
1988 フランティック 監督・脚本 ★★
出演:ハリソン・フォード、エマニュエル・セイナ、ベティ・バックリー、ジョン・マホーニー、アレクサンドラ・スチュワルト
1991 キング・オブ・アド 監督
映画監督たちの演出による傑作CM集。
他の監督は…ヒュー・ハドソン、リドリー・スコット、マーティン・スコセッシ、セルジオ・レオーネ、クロード・シャブロル、ジャン=リュック・ゴダール、フェデリコ・フェリーニ、デヴィッド・リンチ、ジャン=ジャック・ベネックス、クロード・ルルーシュ、ニキータ・ミハルコフ、ダリオ・アルジェント。相当たるメンバー。
1992 バック・イン・ザ・USSR 出演
監督:デラン・サラフィアン
出演:フランク・ホエーリー、ナタリア・ネゴーダ、ラヴィル・イシアノフ、デイ・ヤング、アンドリュー・ディヴォフ、ブライアン・ブレッスド、ハリー・ディストン
1992 赤い航路 監督・製作・脚本 ★★★
原作:パスカル・ブルックナー
出演:ピーター・コヨーテ、エマニュエル・セニエ、ヒュー・グラント、クリスティン・スコット=トーマス、ヴィクター・バナルジー
1994 記憶の扉 出演 ★★★
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ジェラール・ドパルデュー、セルジオ・ルビーニ、ニコラ・ディ・ピント、タノ・チマローサ
1994 他人のそら似 出演
監督:ミシェル・ブラン
出演:ミシェル・ブラン、キャロル・ブーケ、フィリップ・ノワレ、シャルロット・ゲンズブール、マチルダ・メイ、レジーヌ、マリ=アンヌ・シャゼル、ジョジアーヌ・バラスコ
1995 死と処女 監督 ★★★
出演:シガーニー・ウィーヴァー、ベン・キングズレー、スチュアート・ウィルソン
1999 ナインス・ゲート 監督・製作・脚本 ★★★
原作:アルトゥーロ・ペレス=レヴェルト
出演:ジョニー・デップ、フランク・ランジェラ、レナ・オリン、エマニュエル・セニエ、バーバラ・ジェフォード、ジェームズ・ルッソ、ジャック・テイラー

REVIEW
アパートの住人たち



PROFILE
1933年8月8日、ポーランド系ユダヤ人としてフランスのパリに生まれる。本名はRoman Liebling。3歳のときにフランスからポーランドへ移住。第二次世界大戦が始まるとともに両親はナチスの強制収容所送りとなり、母親はそこで死亡。わずか7、8歳からポーランド郊外のカトリック系家庭を転々とする。戦後、父親と再会。1947年にクラコウの演劇学校に入り、役者の道を進むようになる。ウージの国立演劇映画学校に入り、アンジェイ・ムンク監督らの指導を受ける。アンジェイ・ワイダ監督の「世代」にも出演。在学中に作った作品「タンスと二人の男」では5つの国際映画賞を受賞し、ブラックユーモアと不思議な人間関係を描く才気を見せている。デビュー長編映画「水の中のナイフ」は国内の賞賛を浴びたばかりでなく、ベニス国際映画祭の批評家賞を受賞、またアカデミー賞にもノミネートされた。
1964年に女優のバルバラ・ラスと結婚したが、すぐに離婚。パリで知り合った脚本家ジェラルド・ブラックとコンビを組み、「反撥」、「袋小路」を撮影、ベルリン映画祭で銀熊・金熊賞を受賞した。1966年に「吸血鬼」の製作に入り、その映画製作者マーチン・ランソホフの恋人だったシャロン・テートと恋におち、結婚しアメリカに渡る。1968年に発表された初のハリウッド作品「ローズマリーの赤ちゃん」で国際的に名が知れ渡ることになる。
1969年8月9日夜、「マジック・クリスチャン」出演のためにロンドンへ行ったいた留守中に、ハリウッド・ベルエアの自宅で、愛妻シャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソンファミリーに惨殺されるというショッキングな事件が起こった。シャロンは臨月の身だった。
1971年、「マクベス」を監督。事件以来、イギリスに引きこもっていたが、再びアメリカに渡り、ハードボイルド映画の秀作「チャイナ・タウン」を監督。自らも出演し、主演のジャック・ニコルソンの鼻をナイフで切り裂く男に扮した。続く「テナント」で狂気のふちをさまよう男の物語を監督、主演。立て続けに傑作を発表するポランスキーの評価はこの時期、私生活での悲劇も手伝って最高潮に達した。
しかし、1977年、アンジェリカ・ヒューストンの自宅で13歳の少女モデルと関係を持った疑いで逮捕され、保釈中に「ハリケーン」の撮影のためヨーロッパに渡り、そのまま逃亡犯となった(同作の監督はヤン・トロエルに交代)。
正確な状況判断を下そうともせず、一方的に彼を非難する世論の脆さと曖昧さに追いつめられたポランスキーは、戦時中のように再び迫害にあっている自分を見つめなおしていた。その結果、1979年「テス」で、魂を昇華させることに成功。タイトル・バックにある「シャロンへ捧げる」という献辞どおりに、もともと彼女が演じたいと望んでいたこの作品によって、壮麗な映像と瑞々しい詩的な演出でラブ・ストーリーの最高峰を完成させた。
その後「パイレーツ」「フランティック」とエンターテイメントよりの作品を発表。「フランティック」では「異世界における妻の失踪」という疑似体験を撮っている。「赤い航路」「死と処女」そして「ナインス・ゲート」では久々にオカルティックな題材に挑戦。1989年、エマニュエル・セニエと結婚している。
彼の作品は暴力、被害妄想、孤独、隔離、疎外感などのテーマを扱うことが多く、彼の独特な世界に対する考え方が随所に現れている。ユダヤ人迫害、狂信的なヒッピー文化、性モラルの崩壊…社会の歪みを個人的悲劇として体験してしまっているポランスキー。彼はいう。
「人生の波乱なんてものに、ぼくは価値を求めないね」
賞歴 水の中のナイフ ヴェネチア国際映画祭(国際映画評論家連盟賞)受賞
反撥 ベルリン国際映画祭(銀熊賞)受賞
袋小路 ベルリン国際映画祭(金熊賞)受賞
ヴェネチア国際映画祭(イタリア批評家賞)受賞
ローズマリーの赤ちゃん アカデミー賞(脚色賞)ノミネート
チャイナタウン ゴールデン・グローブ賞(監督賞)受賞
アカデミー賞(監督賞)ノミネート
テス LA批評家協会賞(監督賞)受賞
アカデミー賞(監督賞)ノミネート
1993年ヴェネチア国際映画祭(金獅子賞・特別功労賞・経歴賞)受賞
参考文献 ロマン・ポランスキー各映画の劇場用パンフレット
「ホラー・ムービー史」(芳賀書店)


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