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Fantasy |
★★★ |
Horror |
★★★★ |
Healing |
― |
Eroticism |
★ |
Story(ねむれるもりの・・・)
結婚して古城を受けついだ友人レイモンに招待されて、リュシアンは森深い村の古城を訪れた。しかしレイモンの姿はなく、若く美しい彼の妻ヴェルヴェヌと彼女の祖母であるドール夫人(話すことも歩くこともできない老婆)しかいなかった。リュシアンは不審に思うが、「2、3日したら戻ってきますのでお待ちください」というヴェルヴェヌの頼みを断りきれない。城の中は石の彫像や肖像画が多く不気味ではあったが、リュシアンは美しい友人の妻に惹かれはじめていた。しかしリュシアンにはパリに婚約者がいるし、友人のレイモンもいっこうに帰ってこない。ヴェルヴェヌに「明日パリにたちます」と別れを告げた夜、リュシアンは悲痛な女の叫びに目をさました。ドール夫人の制止をふりほどき、地下道をすすむリュシアン。彼の目にとびこんできたのはズラリと並んだ彫像の群れ。そして突き当りには眠れる森の美女のごとき美しい彫像が横たわっていた・・・
中世を思わせるような深い森と古城を背景にしたゴシック・ホラー。特に冒頭からラストまで、彫像のショットが上質の映画さながらの効果をかもしている。心理的な恐怖はもちろん、絵の美しさと怖さも秀逸。
Key Word |
Origin |
眠れる森の美女 |
グリム童話 |
魔女の呪いをうけて眠りつづけるお姫さまが王子さまのキスでめざめるという、あまりにも有名な物語。「ねむり姫」「いばら姫」とも呼ばれる。ヨーロッパの伝承物語をペローが洗練し、グリムが改編した。象徴的に描くことで、性的な描写やエピソードを隠蔽したとみられている。
リュシアンが、眠れる石の美女に口づけをすると、目がひらいた。
Key Word |
Origin |
ピュグマリオン |
ギリシャ神話 |
キプロスの王、ピュグマリオンは自分の理想の女性像を石で彫らせたが、この彫像の女に恋をしてしまう。女神アフロディテが彼の思いを聞き届け、命を与えられた彫像は動き出すようになった。
ヴェルヴェヌの城の彫像は、獲物を追いつめるように迫り、美女の彫像は「鉄の処女」のような仕掛けがされている。
山岸作品
「妖精王」にも、クライマックスで彫像が動き出すシーンがある。