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メデュウサ

Fantasy ★★
Horror ★★★
Healing
Eroticism ★★


 Story(めでゅうさ)

 「この世で最後のメデュウサ」と名乗る女がいる。彼女は自分の姿を見た人間を石に変えてしまうが、彼女の屋敷に出入りするニコラという少女だけは石に変えることができない。そればかりか、彼女と愛を交わすそのときだけは、メデュウサの蛇の髪が人間の髪に戻るのだ。しかし、奔放なニコラが帰らない日をじっと待ち続けるうちにメデュウサの体はヒビだらけになってしまい、ニコラがたくさんのボーイフレンドを引きつれてメデュウサを罵倒したとき、ついに彼女の体は真っ二つに割れてしまった・・・

 つらくなると相手を石にしてしまうことで無視し、自分を守り続ける精神を病んだ女が、メデュウサの姿で描かれている。唯一ニコラの前だけでは体にヒビもはいらず、髪も蛇ではなくなるが、ニコラがボーイフレンドの名をつぶやいた途端に髪が蛇になるといった心理描写がすばらしい。「同情なんかしない」というニコラの言葉と、精神病棟の中で蛇の髪を伸ばしつづけるメデュウサのラストが印象的だ。



Key Word Origin
メデュウサ ギリシャ神話
 
 ゴーゴン三姉妹(メデュウサ、ステンノ、エウリュアレ)はとても美しい女性たちだった。特にメデュウサの美しさは際立っており、海神ポセイドンをも虜にしてしまった。そして女神アテナの神殿で愛を交わすが、これに腹を立てたアテネとポセイドンの妻アンフィトリテは、メデュウサに魔法をかけて、その姿を見たものは石になってしまうという蛇の髪の醜い怪物に変えてしまった。これに怒った他の姉妹も女神たちによってメデュウサと同じような怪物にされてしまう。さらに、アテナはペルセウスにメデュウサ退治を命じ、ペルセウスは鏡の盾を使ってメデュウサを倒した。そのときに流された血から誕生したのがペガサスである。

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