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牧神の午後

Fantasy
Horror
Healing ★★★
Eroticism ★★★★


 Story(ぼくしんのごご)

20世紀初頭、パリの人々を驚かせたロシアバレエ団(バレエ・リュス)の伝説的ダンサー、ワツラフ・ニジンスキーの生涯を描いた作品。

ニジンスキー人気によってバレエ団を追い出されるかたちとなったバレエ・マスター、ミハイル・フォーキンの視点という描写が独創的で、読者の共感をよぶのに一役買っている。「翼持つ天才」を夢見るジャン・コクトーの言葉から、「翼を持っているが生活をする腕がない」ニジンスキーの天才性を描き出したくだりは見事。またバレエ団創設者で、同性愛者のディアギレフとの関係、言葉の通じないハンガリー人ロモラとの結婚、バレエ団からの解雇、そして世俗の塵にまみれることができなかったことで精神を病み…数々のバレエ・シーンと共に、ニジンスキーという人物像が現代によみがえってくる傑作…!



Key Word Origin
牧神の午後 ニジンスキーの
代表作品
 
20世紀初頭のフランスでは、バレエはミュージックホールで女の子が踊る見世物の類でしかなかったのだが、ディアギレフのロシア・バレエ団(バレエ・リュス)が、1909年パリに進出し、ニジンスキー人気で大成功をおさめた。

「牧神の午後」という作品は、好きな妖精に相手にされない孤独な牧神の物語。この作品でニジンスキーは、失意の牧神として自慰行為を観衆の面前で行い、バレエ史上、最も物議をかもす騒動となった。

山岸版ニジンスキーが踊る作品
「アルミーダの館」「子鬼」「青い鳥」「シェーラザード」「カーニバル」「饗宴」「薔薇の精」「ジゼル」「青神」「ペトルーシュカ」「牧神の午後」「春の祭典」「レ・シルフィード」

【参考文献】

「ニジンスキーの手記
ワツラフ・ニジンスキー 訳
 鈴木晶 (新書館)


「ディアギレフ−ロシア・バレエ団とその時代−上・下」
リチャード・バックル 訳 鈴木晶 (リブロポート社)

【参考映像】

「ニジンスキー」(1980)
ハーバート・ロス監督
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