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ティンカー・ベル

Fantasy ★★★
Horror
Healing ★★★
Eroticism


 Story(てぃんかー・べる)

 美しい母親、姉妹に少しも似ていない少年のようなそばかすのダフニーは、小さい頃からまわりの中傷を聞きながら育ったので、無口で暗いイメージにみられがち。唯一の心の支えはティンカー・ベル。自分の容貌を中傷する大人たちの話を聞いて初めて泣いた4歳の春にダフニーのもとへ訪れた美しい妖精。どんなにつらいことがあってもティンク(ティンカー・ベルの愛称)が黙って話を聞いてくれ、悲しいときには慰めてくれた。しかし、クラスメイトの兄であるギーと知り合ってから・・・

 ティンクはダフニーが寂しさゆえに創り上げた想像の産物だったのだろうか。火事の中へダフニーを助けるために飛び込んだギーを救ってくれたのは、ティンクであり、その姿はギーにも見えた。ダフニーを思うギーに・・・この事件以来、ティンクは姿を見せなくなったが、どこかでダフニーを見守っているのかもしれない。



Key Word Origin
ティンカー・ベル 戯曲ピーター・パン
  ジェイムズ・バリ(James Barrie/1860-1937)の戯曲「ピーター・パン」に登場する金粉をまきちらしながら飛ぶ小さな妖精。
 現在「ピーター・パン」として知られる物語は、「小さな白い白鳥」という作品を元に、バリが戯曲として発表したもの。「ピーター・パン〜大人にならない子供」の初演(1904)後、小説「ケンジントン公園のピーター・パン」を出版、1911年に小説「ピーターとウェンディ」、1921年に小説「ピーター・パンとウェンディ」を出版、そして1928年に戯曲「ピーター・パン」が出版された。
 ティンカー・ベルは「ピーターとウェンディ」以降に登場する。

 
Original Story「ピーター・パン〜大人にならない子供」

 ピーター・パンは生後まもなく、母親たちが自分が大人になったときのことを想像して語り合っているのを聞いて失望し、その場から逃げ出して、ケンジントン公園のサーペンタイン池にあるネヴァーランドで妖精たちと暮らし始める。

 
山岸作品のティンカー・ベルは、ディズニー・アニメのような、イタズラ好きの小さな女の子といった風貌ではなく、ギリシャ風のローブにうすい羽根が美しい若い女性の姿で描かれている。炎の中に現れるティンクの雰囲気にはどことなく怖さも感じられる。

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