Mystery Collection映画の中のミステリー⇒リストへ |
by 「黒死館徘徊録」の素天堂さん
映画は劇場でが建前なのですが、若い世代の皆さまにも観ていただける可能性があるかも…ということで、一度はレンタル・ショップに出たヴィデオ作品から、いまだ色褪せないミステリーの古典を中心にセレクトさせていただきました。
作品名 | 偏屈度 |
火星人ゴーホーム!(お馬鹿) | ★★★ |
最後の晩餐(死にざま) | ★★★★★ |
シベールの日曜日(叫び) | ★★★★ |
地球に落ちてきた男(撃ち合い) | ★★★ |
ディーバ(探偵の部屋) | ★★★★ |
ハリーの災難(ご苦労) | ★★★ |
ファール・プレイ(オペラ「ミカド」) | ★★★ |
真夜中のパーティー(突然の雨) | ★★★★★ |
ロリータ(セラーズの怪演) | ★★★ |
悪い種子(ピンクの電気椅子) | ★★★★ |
番外 | |
探偵 / スルース(仕掛け) | ★★★★★ |
フォロー・ミー(ロンドンの街) | ★★★★★ |
プロスペローの本(オシッコ) | ★★ |
SELECT 10
火星人ゴーホーム!(1989) | |||
監督:デビッド・オデル | フレドリック・ブラウンの大傑作のヴィデオ化。のぞき趣味の火星人の巻き起こす大騒動の忠実な映像化が楽しい。 アメリカでは劇場公開されたのだろうか。 「マーズ・アタック」はティム・バートンによる「ブラウン・火星人」へのオマージュだろう。 |
||
出演:ランディ・クエイド、ロニー・コックス | |||
偏屈度 | ★★★ | ||
主人公(火星人)の魅力 | ★★★ | ||
お馬鹿度 | ★★★★★ | ||
最後の晩餐(1973) | |||
監督:マルコ・フェレッリ | ヨーロッパを代表する俳優4人が繰り広げる死を賭した男の夢ではあるが・・・。 とんでもない遊びの中で見えてくる荒涼感が悲しい。でも悪趣味。P.N.を最後に優しく包んでくれる女教師の豊満すぎる身体こそ男の夢なのだったのだろうか。 だけどそれじゃ、ほんとに悲しいじゃないか。 まさかレンタル・ビデオが出ているとは思えなかったので、入手したときはびっくりした。 |
||
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、 ミシェル・ピコリ、ウーゴ・トニャッツィ、 フィリップ・ノワレ |
|||
偏屈度 | ★★★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★ | ||
M.マストロヤンニの死にざま | ★★★★★ | ||
シベールの日曜日(1962) | |||
監督:セルジュ・ブールギニョン | とにかく、主人公シベールが可愛い。哀しい。 第二次大戦後、ヴェトナム独立戦争にフランス空軍で従軍し、精神に異常を来したハーディー・クリューガーとの年の離れた悲劇的な恋。 最後のシーン、シベールの叫びは映画館を出た後も耳に残ったものです。 少女コレクションへ |
||
出演:ハーディ・クリューガー、 パトリシア・ゴッジ |
|||
偏屈度 | ★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★ | ||
シベールの最後の叫び | ★★★★★ | ||
地球に落ちてきた男(1976) | |||
監督:ニコラス・ローグ | Weird Closetのみなさんがどうしてリストに載せないのかと思うくらい、総ての点でこのサイト向きだと思うのですが・・・。 ボウイが一曲も歌わないコチコチのSFだが、とにかく美しくエロティックなイメージの連続と、哀しい宇宙人の境涯。 さらに後半のサスペンスあふれるストーリー展開。 監督の感性の違いだと思うが「戦メリ」とくらべて、なにしろ主人公が過剰に美しい。 デビッド、青春の美しい一枚(笑) |
||
出演:デビッド・ボウイー、 キャンディ・クラーク、リップ・トーン |
|||
偏屈度 | ★★★ | ||
主人公(火星人)の魅力 | ★★★★★ | ||
空砲の拳銃の 撃ち合い |
★★★★★ | ||
ディーバ(1981) | |||
監督:ジャン=ジャック・ベネックス | 幻想的な、女性歌手とその熱狂的なファンの恋と、その歌手の声で商売しようとする海賊版制作者たちの暗躍するサスペンスの絡み合う魅力的なストーリー。 間に立つ探偵役リシャール・ボーランジェと奇妙なヴェトナム娘の奇妙な関係。 とにかく絵が美しい。最後に自分の声を聞く女性歌手のリアクションが見物。 |
||
出演:リシャール・ボーランジェ、 フレデリック・アンドレイ、ウィルヘルメニア・フェルナンデス、チュイ・アン・リュー |
|||
偏屈度 | ★★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★★ | ||
探偵さんの部屋 | ★★★★★ | ||
ハリーの災難(1956) | |||
監督:アルフレッド・ヒッチコック | 素天堂のお気に入りシャーリー・マクレーンの映画デビュー作。 悪人が一人も出てこない殺人喜劇。 一つの死体を巡って繰り広げられるドタバタが秀逸。本当に笑える。 もしまだ見ていない人がいるなら、どうか大きなレンタルショップにあるでしょうから是非見てほしいので、内容はくわしく書きません。 早川のポケミスで原作が読めます。 |
||
出演:シャーリー・マクレーン、 ジョン・フォーサイス |
|||
偏屈度 | ★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★ | ||
ハリーさんの ご苦労度 |
★★★★★ | ||
ファール・プレイ(1978) | |||
監督:コリン・ヒギンズ | 元気女優ゴルディ・ホーンとチェビー・チェイスのサスペンス・コメディ。 この分野は本でも映画でも素天堂は大好きですが、その中でもトップ3に入る大傑作。 とにかく小道具、サブ・ストーリー何を取っても無駄がない。 さらに随所に登場するダドリー・ムーアの怪演。 最後に登場するギルバートとサリヴァンの怪作オペラ「ミカド」がしっかり見られるのもお薦め。 |
||
出演:ゴルディー・ホーン、 チェビー・チェイス、ダドリー・ムーア |
|||
偏屈度 | ★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★★ | ||
オペラ・「ミカド」 | ★★★★★ | ||
真夜中のパーティー(1970) | |||
監督:ウィリアム・フリードキン | 男しか愛せない男たちの悲劇的な集まり。 しゃれた会話とおしゃれな会合だったはずが、いつの間にかお互いを傷つけあう最悪のゲームが始まる。 同性愛を取り上げるのに勇気のいった時代に創られた心理劇。 |
||
出演:同作の舞台版のメンバー (ほとんど無名) |
|||
偏屈度 | ★★★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★ | ||
突然降りだした雨 | ★★★★ | ||
ロリータ(1961) | |||
監督:スタンリー・キューブリック | 偏屈素天堂の、キューブリックの究極の一本。 なにしろ公開が古すぎてテレビで一回見ただけの幻の作品だった。 今では信じられないかも知れないが、キューブリックはそのころあまり評価されていなかったから公開を見逃すと再上映は殆どなかったのです。 その後古いプリントの上映を見ることが出来て、あまり面白いのでびっくりしました。 ピーター・セラーズの怪演するクレア・キルティを巡るサスペンス、主人公ハンバートのジェームス・メースンがおじんくさくてかえってピッタリだったり。 それから、スー・リオンの危ない魅力の説得力。 ミステリーものとしても一級品です。 少女コレクションへ |
||
出演:ジェイムス・メイスン、 シェリー・ウィンタース、ピーター・セラーズ、スー・リオン |
|||
偏屈度 | ★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★ | ||
クレア・キルティーの怖さ | ★★★★★ | ||
悪い種子(1953) | |||
監督:マービン・ルロイ | 主人公ローダの怖さは最高。 これを作るためにテープを見直してなんとあの「哀愁」の大監督がこれを作っていたので驚いてます。 主人公の少女の犯行を見た掃除夫が彼女を脅かすためにでっち上げた少女用のピンク色の電気椅子のエピソードもなかなかのものです。 最後は映画と原作では違っていますが、ハリウッド流のエンディングでやむを得ないでしょう。 原作は早川書房からハードカヴァーで刊行され、その後、ポケットブック版でも出ていますから運がよければ古書展で見つかるかも知れません。 少女コレクションへ |
||
出演:パティー・マコーマック、 ナンシー・ケリー |
|||
偏屈度 | ★★★★ | ||
主人公の魅力 | ★ | ||
ピンクの電気椅子 | ★★★★★ | ||
AND… | |||
探偵/スルース(1972) | |||
監督:ジョセフ・マンキーウィッツ | 絵でしか登場しない一人の女性を巡って命を懸けてだまし合いを仕掛けあう老境に入って妻に逃げられそうな探偵小説家と成り上がりの若い美容師。 全編に繰り広げられる小道具のすばらしさ。 すべてが意味を持ち一つ一つが生きている。 トリビアリズムという言葉があるが、この細部へのこだわりが、この映画に登場するたった二人の実はすさんだ精神世界を見事に表現している。 脚本はセリフ劇の天才ピーター・シェーファー。 |
||
出演:ローレンス・オリヴィエ マイケル・ケイン |
|||
偏屈度 | ★★★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★★ | ||
すべての仕掛け | ★★★★★ | ||
フォロー・ミー(1972) | |||
監督:キャロル・リード | アメリカから流れ着いたロンドンで結婚しながら、自分の居場所がつかめないまま街をさまようミア・ファーロー。 その妻の動向を怪しんだ夫が依頼した探偵さん。 後をつける探偵さんとつけられる奥さんの間にいつの間に出現するほっかりしたあたたかさが心地よい。 けれど、「第三の男」の名監督リードのことだから、決して生ぬるい恋愛劇に堕することはない。 ある種のサスペンスを醸す脚本は、ピーターの兄弟アンソニー・シェーファー。 |
||
出演:ミア・ファロー トポル、 マイケル・ジェイストン |
|||
偏屈度 | ★★★★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★★ | ||
ミアのさまようロンドン | ★★★★★ | ||
プロスペローの本(1991) | |||
監督:ピーター・グリナウェイ | いまさらグリーナウェイでもないかもしれないが、これは特別。 とにかく本が動くというコンセプトが大好き。 舞台劇のようで、舞台では絶対に出来ない表現がグリーナウェイの本領だと思うけど、その真骨頂ではないだろうか。 |
||
出演:ジョン・ギールグッド、 イザベル・パスコ、マイケル・クラーク、ウテ・レンパー |
|||
偏屈度 | ★★ | ||
主人公の魅力 | ★★★★★ | ||
妖精たちの長〜いオシッコ | ★★★★★ |