作品名 |
作家 |
収録本 |
ひとこと |
おすすめ |
ドリアン・グレイの肖像 |
オスカー・ワイルド |
新潮文庫「ドリアン・グレイの肖像」 |
美青年ドリアンの背徳世界にのめりこむさまが、肖像画を通して描き出される。映画はヘルムート・バーガーを起用したが原作には遠く及ばず。 |
★★ |
ジュネ詩集 |
ジャン・ジュネ |
国文社「ジャン・ジュネ詩集」 |
愛欲と自涜と死を感じさせる男色の詩。 |
★★★★★ |
マルドロールの歌 |
ロートレアモン伯爵 |
集英社文庫「マルドロールの歌」 |
寄宿舎時代の下級生ジョルジュへの想いを綴った独創的な美しい散文詩。のちのシュルレアリスムへ与えた影響は大きい。 |
★★★★★ |
おかま |
ウィリアム・バロウズ |
ペヨトル工房「おかま(クィーア)」 |
「裸のランチ」などのバロウズによる自伝的な純愛小説。 |
★★ |
デミアン |
ヘルマン・ヘッセ |
新潮文庫「デミアン」 |
少年時代に出会った友デミアン、その影響力と甘美な想い。「トーマの心臓」の萩尾望都さんにも影響を与えた作品。 |
★★★ |
モーリス |
E.M.フォースター |
扶桑社「モーリス」 |
ケンブリッジ大学時代に知り合ったクライブ、クライブの別荘で働くアレク、彼らに対するモーリスの苦悩と愛。 |
★★ |
ホテル・ニューハンプシャー |
ジョン・アーヴィング |
新潮文庫「ホテル・ニューハンプシャー」 |
父の夢をかなえるべくホテルを開業したベリー家は世間一般とは少し違っていた。やさしさとユーモアあふれる少し悲しい物語。 |
★★ |
夜の森 |
デューナ・バーンズ |
国書刊行会「夜の森」 |
両大戦間のベルリン、ウィーン、パリ、ニューヨーク。時間と距離を越えて彷徨うロビンをとりまくレズビアンとゲイの美しい物語。 |
★★★ |
仮面の告白 |
三島由紀夫 |
新潮文庫「仮面の告白」 |
女性に対して不能であることを知った青年の姿が独特の感性で描かれている。作家24才時の作品で、すでに聖セバスチャン・コンプレックスがうかがえる。 |
★★★★ |
卍(まんじ) |
谷崎潤一郎 |
新潮文庫「卍(まんじ)」 |
不能の夫を持つ女が関西弁で語る一人称小説。女同士のやりとりによって、当時の風俗や東西の違いまでうかがえるのが興味深い。 |
★ |
孤島の鬼 |
江戸川乱歩 |
春陽堂文庫「孤島の鬼」 |
猟奇小説としてもすばらしいが、迷宮のごとき洞窟内で、蓑浦君にぶつけた諸戸君の狂おしいまでの愛が印象に残る。 |
★★★★★ |
蜥蜴の島 |
香山滋 |
出版芸術社「月ぞ悪魔」 |
「ゴジラ」の原作など爬虫類がテーマの香山作品は多いが、同性愛の女が語るこの秘境小説は、太古の夢のように幻想的。 |
★★★ |
少年愛の美学 |
稲垣足穂 |
河出文庫「少年愛の美学」 |
作家の嗜好が数々のエピソードと共に語られるエッセイ。 |
★ |