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ダフネー

Fantasy
Horror ★★
Healing ★★
Eroticism ★★


 Story(だふねー)

 過去、天才少女ピアニストと騒がれたソニアは、母の古い知り合いであるマダム・ぺクールが営む長期滞在者用ホテルに下宿することになった。指がふるえてピアノが弾けなくなったための長期休養という名目で、ひととき母の束縛から逃れることが出来たかのソニアだったが、蔦に締めつけられたようなマダム・ぺクールの館でも、さまざまな人間模様と呪縛がはびこっていた・・・

 性愛を嫌悪する若い女性の感情をダフネー・コンプレックスと呼ぶことがあるが、ソニアもまた大きな男性が苦手で、また、母の束縛を嫌いながら自ら呪縛を解き放つ努力をしない未熟さがあった。しかし、囚われの美しい女性サラ、マダム・ペクールの息子たちとの間で起こった出来事が、彼女自身を目覚めさせるきっかけになる。ソニアの体が蔦と同化しそうになる象徴的なシーンは、山岸さんならではのエロスと美しさが感じられる。
 


Key Word Origin
ダフネー ギリシャ神話
 
 テッサリアの川の神の娘ダフネーはたいそう美しかったが、処女神アルテミス(ディアナ)のように生きることを望み、男性には目もくれなかった。しかし、太陽神アポロンがダフネーに一目惚れしてしまい、彼女を抱きとめようとしたとき、ダフネーはとらえられるのを嘆いて、父である川の神に助けを求めた。アポロンがダフネーにふれたとたん、彼女は1本の月桂樹に変身していた。アポロンは嘆き悲しんで、月桂樹を自分の神木とした。芸術にすぐれたものに月桂樹の枝を編んで作られた月桂冠が送られることになったのは、この説話が起源となっている。
   
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