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バンシー

Fantasy ★★
Horror ★★
Healing
Eroticism


 Story(ばんしー)

 才能ある作家ケヴィンの屋敷のまわりを浮遊しながらさまよう若く美しい少女。ケヴィンが年上の美人妻と過ごしている様子を窓からのぞきみて少女は泣き叫ぶ。
「あたしは彼と寝ることができなかった!?」
 少女は気づいてしまう。自分が屋敷の向かいのみすぼらしい家に下宿する醜い30女のミス・ドロシィであることに。そして、真実を認めたくない彼女は・・・

 美しい精霊の姿と、醜いストーカー女の姿が巧妙に重ね合わせられているので、夢想から現実に引き戻される感覚に悲壮が漂う。そして、幻想的な絵の美しさがよけいに現実の残酷さを際立たせていると思う。当時は、ストーカーという言葉も聞き慣れなかったが、山岸凉子さんには時代を先読みする能力がおありなのかもしれない。



Key Word Origin
バンシー アイルランド伝承
 
 ゲール語で「妖精の女」をしめす言葉。いつも泣いているので「泣き女」ともいう。目は泣き腫らし髪は地につくほど長い。アイルランドでは、顔をベールで覆い、泣きながら空を飛ぶ美しい女性の姿で現れるという。家に住みついて、その家に死人が出るときには教えてくれるが、出産の知らせをもたらすこともある。バンシーが住みついていることは、良い家のあかしであるので誇りにされている。
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