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山岸凉子の怖いマンガ

by「山岸凉子のカテゴライズの夜は更けて…」の根葉梅花さん
順位 作品名 発表年と収録本 コメント
「ゆうれい談」 1973年
(角川書店全集17「ゆうれい談」)他
作品を感受する重要なファクターとして、その年齢がある。年齢が故にインパクトが強かったとはいわないが、いまだに一番怖い作品。
自分はこの作品を知ってからは、決してテーブルの足に豆絞り手ぬぐいを掛けない。
「わたしの人形は良い人形」 1986年
(文春文庫「わたしの人形は良い人形」)他
ほぼ等間隔で責めてくるビジュアルな恐さ。また、炊飯器のご飯が散らばっている場面には異様なリアリティを感じる。
自分はこの作品を知ってからは、決して市松人形を所持しない。
「汐の声」 1982年
(文春文庫「わたしの人形は良い人形」)他
ディテールの隠し味があちらこちらに散らばっている作品。物理的にはあり得ない畳の上で少女の首がうめき苦しむ場面はうまいというか怖いというか・・余りコメントしたくない、怖くて・・・
自分はこの作品を知ってから、ちゃんと成長する子役には安堵感を感じる。
「負の暗示」 1991年
(秋田文庫「神かくし」)他
上記3作品は単純に心霊的な恐さを追ったが、ある意味でこの作品は上記以上に怖い作品。自己の脆弱と怠惰と狡猾を寂寥感で包んで内包しようとしたところをほんの少しのほころびにより、全面にばらまいてしまったようなこの上ない羞恥心、そして孤独感、疎外感、逃れられない負のサイクル。せめても、山岸凉子のペンで我々はそれを疑似体験したことになる。この身に起こる「負」を遠回しにしてはいけない、受け止めねばならないのだと学習したことになる。
「化野の・・・」 1982年
(文春文庫「ブルー・ロージス」)他
夜道を歩いていると、家々の明かりはいかにも幸福そうに輝いている。生を否定し、死を否定することは、寒く暗い道を永遠に歩かねばならないのか。
(2000.10.30.)
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