by「ありさとの蔵」の有里さん
順位 | 作品名 | 発表年と収録本 | コメント |
― | 「鳥屋敷」 | 1999年 (雨柳堂夢咄シリーズ 『ネムキ』7月号掲載) |
物に宿った想いが人を救うというパターンの多い雨柳堂夢咄シリーズとしては珍しく怖い話。残念ながらまだコミックスになっていません。烏屋敷と呼ばれる屋敷で、幼い少女を攫ってきては憑人(よりまし)に仕立てていた白塗りの占いお婆が、ビジュアル的に怖い。 |
― | 「通り悪魔」 | 2000年 (雨柳堂夢咄シリーズ 『ネムキ』5月号掲載) |
魔と目を合わせてはいけない。気が付かぬふりをしなければいけない。目を合わせたらとても恐ろしいことが起こる、というお話。でも気が付かないふりなんてできないよねぇ。 |
― | 「幽かな花」 | 1998年 (雨柳堂夢咄シリーズ 朝日ソノラマ刊「雨柳堂夢咄 其ノ六」) |
罪を償うため、女は現われた。彼女の通った後に残るのは幽かな花……。正統派(?)の日本的な幽霊もの。幽霊の女性が黙ってすわっている姿が怖いのなんの。 |
― | 「夜の聲」 | 1995年 (冥境青譚抄シリーズ 白泉社文庫「幽霊宿の主人」) |
あやかしを見ることができる「スケコマシ」青之介の登場するシリーズの一作。夫の不貞を堪え忍んでいた夫人の押えきれぬ想いが呼び寄せたモノは……。奥様の首に巻かれた包帯の意味が分かるときが怖い。 |
― | 「もうひとつの遺言」 | 1990年 (朝日ソノラマ刊「牡丹灯篭」) |
波津作品に登場するのはジェントル・ゴースト(優しい幽霊)系のあまり怖くない幽霊が多いんですが、この作品の幽霊の登場の仕方はショッキングでした。 |
― | 「秋霖の忌」 | 1991年 (朝日ソノラマ刊「秋霖の忌」) |
愛の証を得るために愛する人を冥府から呼び戻し契ろうとする女の哀しさ怖ろしさ。ラストで彼女が穏やかに微笑んでいるシーンがいちばん怖かった! |
― | 「夏深む」 | 1990年 (白泉社文庫「水に棲む鬼 」) |
レディスコミックでこれも怖い奥様もの。山奥の庵に一人住む妻の世界にとり込まれてしまった夫のお話。まあ、自業自得ともいえます。 |
(2000.10.25.)
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